天官賜福 bilibili 英語版の和訳 #60

天官賜福 英語版漫画の和訳 #60です。

 

☆登場人物の台詞を理解することが主な目的なので、台詞以外の、絵で表されている描写は最低限しか書いていません。

☆登場人物や場所の漢字が間違っている可能性があります。読んでくださって間違いに気づいた方は教えてくださったら嬉しいです。

☆意訳・省略ありです。

 

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謝憐は額を抑える。

「半月…なぜそんな何気ない言葉を覚えているの?」

「しかし花将軍、あなたはとても真剣に言っていたのです。そして他にもたくさん、同じようなことを言っていました。」

“あなたを止められるものはない”

“正しいと思うことをしなさい”

“100回泥に落ちようとも、強くなり立ち上がらなければならない”

半月が次々と語る過去の自分に、謝憐は絶望する。

これは大変だ…。なんて戯言だ…。何故、そんなことを言うのが好きだったのだろう…。私はそんな人間か?そんな人間じゃないぞ…。

そんな謝憐をよそに、半月は寂しそうに言った。

「しかし今はもう…何が正しいことなのか分かりません。」

半月は静かに続ける。

「あなたが昔言ったように、私は万人を救いたかった。しかし結局、私は半月国を壊滅させました。私は永安の罪なき人々を守りましたが、同時に都の門を開け、敵に自国の民の虐殺を許したのです。」

半月はその時の光景を思い出し、頭を抱えた。

「以前は、刻磨は本当にわたしに良くしてくれていました。兵士たちも同様に私を敬い、言うことを聞いてくれていた。

本当は心底、立派な国師になりたかったのに…。しかし最後には、彼らの死を招いただけでなく、彼らの魂まで罪人坑に閉じ込め、人間を食べることも、痛みから解放することも許さなかった。本当に私が何をやっても…悪い結果にしかならなかった。

私は過ちを犯したと分かっています…。しかし花将軍…、私はどこで間違えてしまったのでしょう?あなたが言ったことを成し遂げるためには、私はどうすればよかったのでしょう?…万人を救うためには?」

謝憐は空の流れ星を見つめ、静かに口を開いた。

「すみません、半月。当時、私はこの質問の答えを分かっていませんでした。そして今も分からない。」

ついに半月は丸く膝を抱え込んでしまった。

「過去200年間に何をしてきたのかさえ分からなくなるようです。何という失態でしょう。」

謝憐はそんな彼女を慰めることはできなかった。今まで800年の間に、彼女よりもひどい過ちを犯しているように感じられたからだ。

 

沈んでいる半月をそっとしておいてあげようと、謝憐と三郎は道勧の中へ戻った。

道勧の扉を閉め、謝憐はため息をついた。

「半月は進んで半月関にいたんだ。彼女は”凶”の鬼になったからという理由だけで囚われていたのではない。彼女は兵士たちに怒りを手放し自由になってほしかったから、刻磨や兵士たちに己を何度も繰り返し吊るさせた。」

謝憐は話しながら、供物台に置かれた花瓶からしおれた花を摘まみとっていく。

「あの子は…小さいころ虐められていました。大勢の子供たちに、泥穴に顔を押し付けられたことがある。しばらくしてからそのことについて聞いてみると、彼女は一人の少年が泥穴から引っ張り出してくれたことしか覚えておらず、彼女はその少年がくれた手ぬぐいを洗って返していました。

彼女は、自分を殴った者は1人も覚えていませんでした。しかし誰かが彼女を救えば、彼女は生涯それを忘れないのでしょう。」

謝憐はまたため息をつき、三郎の方を向く。

「もし小裴将軍が、坑の兵士たちによって自分の行いが天界に知られるのを本当に避けたかったのなら、彼は密かに分身を送り込んで、彼らを一掃することができたはずです。なぜ彼はあんな方法を取らなければいけなかったのでしょう?」

「分身の力は弱まります。阿昭を見たでしょう。彼は何もできずに突き落とされ、できたのは坑の兵たちの恨みを少し晴らすことだけ。人間を餌として彼らに与えれば恨みは早く消えるし、簡単だ。」

「なぜ彼は兵たちの恨みを早く消したかったのでしょう?」

三郎はそれにクスッと笑った。

「おそらく…彼はあの子供、半月が痛々しく吊るされることが、これ以上我慢できなかったのでしょう。神官たちにとって人間の生命は、蟻より価値がない。」

その言葉に謝憐は目を伏せるが、また質問を続けた。

「今、”分身の力は弱まる”と言いましたが…あなたの分身は実に強力に見えますよ。」

「そうでしょう。これは僕の実体ですけどね。」

「え?これは…あなたの本物の体なの?」

「正真正銘のね。」

その言葉を確かめるように、謝憐は思わず、指で三郎の頬をつついた。

しかしすぐに我に返り、指を除ける。ダメだダメだ!つい無意識に…。

取り繕うように咳ばらいをし、頬を赤くしてぎこちなく言う。

「…悪くないと思う。」

その言葉に三郎は耐えきれないというように笑いだした。

謝憐は額を抑え後悔する。彼をあんな風につついて!とんでもない!

「ハハハ。哥哥、この皮は悪くないですか?」

「ええ、素晴らしいです。でも、”この皮”と言ったのは…」

まだ顔を赤くしたまま、ちらりと三郎を見る。三郎は謝憐を見つめ微笑んでいる。

「あなたの体は本物だけれど、外見は本来のものではないということですね。それなら…、あなたの本来の姿を見せてもらえませんか?」

 

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三郎をつつく謝憐、可愛すぎやしませんか…!

されるがままの三郎も可愛い。沈黙してしまっているの、まさか謝憐がそんな可愛いことしてくるなんて思ってなくて、ちょっと固まってしまっているのではないですか??

次のコマの、キツネ(?)三郎とウサギ謝憐可愛いですね。

 

そして顔を赤くして、悪くないと思う(結構いいと思う)って言う謝憐の顔美しいし可愛いし…。その言葉に笑っちゃう三郎も美しいし可愛いし。

今回の話、後半の2人の可愛さ・美しさに全て持っていかれますね!