『不小心救了江湖公敌』『Saved the Public Enemy by Mistake』 BILIBILI漫画 英語版の和訳 #39
不小心救了江湖公敌 英語版漫画#39の和訳 です。
☆登場人物の台詞を理解することが主な目的なので、台詞以外の、絵で表されている描写は最低限しか書いていません。
☆登場人物や場所の漢字が間違っている可能性があります。読んでくださって間違いに気づいた方は教えてくださったら嬉しいです。
☆意訳・省略ありです。
****************************************
「積もる話のある友人か?」
「そうでもない。」
疑わし気に自分をじとりと見つめる青云に、江鶴はクスリと笑みを浮かべる。
「だが、少しは知っているよ…。集団墓地以前、お前に何が起こったか。
もっと知りたいなら話してもいいが…。」
「全て吐け。見返りは何が望みだ?」
ただで教えてもらおうなどとは、端から期待していなかったようだ。青云はすぐさまそう返した。
「ある人を殺してほしい。」
手で笑みを隠し、江鶴はそう言った。
「非常に多くの敵がいるのに、殺してほしいのはたった一人なのか?」
「量より質だよ。」
「誰を殺してほしいんだ?」
「周子坤。」
「!」
思いもよらぬ名前に、青云は大きく目を見開いた。
「頭がおかしいのか?」
正気の沙汰ではない発言に、青云は腕まくりをして江鶴に迫る。
それを見て江鶴はヒッと身をすくませる。
「取引不成立、だが合理的にいこう!殴るな!」
しかし彼の言葉に耳を貸さず、青云は江鶴の首元をグイグイと締め付ける。
「お前を救うためにずいぶん苦労したんだぞ。死に急ぐなら救わなかったのに。」
さらにボコッと頭を殴りつける。
「復讐を望むにしろ、私たちの状況を弁えろ。
私たち2人は今、主に周子坤のせいで体の半分に不自由を負っている。
私たちは全門派に囲まれていたかもしれんが、贺兰山庄の周子坤がいなければ、それらの攻撃から逃れることができただろう。
周子坤は強すぎる。この世に存在すべきではないほどに。
私に彼は殺せないし、お前にもそんなことはさせない。
彼に指を触れようとするだけで、お前は死ぬだろう。」
「奴に死んでほしいんだよぅ。頼むよ。」
江鶴はふざけた涙声を出したが、すぐに口調を改めて続けた。
「お前は解清霜に、俺が死にかけだと言ったな。
周子坤を殺したいという唯一つの願いのために、俺は生き続けているんだ。」
「…。」
切なげな瞳で訴える江鶴にしばし沈黙した青云だったが、やはり受け入れられずに背を向ける。
江鶴は慌てて青云の袖をつかむ。
「なあ兄さん助けてくれよ、やってみてくれよ。」
「放せ。」
手を振りほどかれた江鶴は、がっくりと卓に顔を俯せた。
そして、青云ならば黙っていられないだろうという言葉を口にした、
「じゃあ解清霜に話してみよう。
俺は弱くて、哀れで、無力だが、彼女にとっては俺はまだすごく便利な存在だ。」
いよいよ苛立ち、青云は卓に手を叩きつける。
「死に急いでいるのか?解清霜は人間のように見えるだろうが、やっていることは人道とはかけ離れて…」
「なら、俺を助けてくれるか?」
青云の言葉を遮り、低い声で江鶴は尋ねる。
だがやはり青云の”助け方”は、江鶴の望むものとは違った。
「死に急ぐのを止めようとしている。」
そう返して、青云は眉根を寄せ不機嫌に押し黙った。
どうにも取引を受け入れてもらえないと理解したのか、江鶴はため息をつき、静かに言った。
「そんな日はいずれやってくるんだ。」
「…。」
「俺が少しでも長く生き延びる理由は何だ?痛みが増すだけだ。」
青云はその言葉にも何も応えることはなく、ただ雨音だけが続いた。
****************************************