天官賜福 英語版漫画の和訳 #77です。
☆登場人物の台詞を理解することが主な目的なので、台詞以外の、絵で表されている描写は最低限しか書いていません。
☆登場人物や場所の漢字が間違っている可能性があります。読んでくださって間違いに気づいた方は教えてくださったら嬉しいです。
☆意訳・省略ありです。
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灯りの少ない路地で、風師が郎千秋を叱りつけていた。
「千秋、あなたはれっきとした武神であるのに、どうしてあんな衝動的なことができるのだ?私たちは今、鬼界にいるのだぞ!
もしあなたが捕らえられ正体が晒されたら、”神官が鬼界に潜入するために変装して、三界の平和を損なうおかしな行動をした”と噂が広まっただろう。それを帝君にどう説明しろと言うのだ?」
郎千秋はそれに対し、子供のように頭をかいて謝る。
「申し訳ない。先ほど、無謀な行動をしたことは確かだ。しかし…あの状況で私が出ていかなければ、誰も止める者はいなかっただろう。」
どうやらあまり反省していないようだ。風師がため息をつき、謝憐が困り顔を浮かべた時だった。
「あそこの客は正気では…」
「あああああああ!!!」
路の先から聞こえてきた悲鳴に、郎千秋の言葉はかき消された。
男たちの怒号が続く。
「くそったれめ!ようやくこの覆面の盗人を捕まえたぞ!」
「もう一回死ぬまで殴ってやれ!」
「このクソガキ、俺の食い物をこんなに盗みやがった!皮を一枚一枚はがしてやる!」
数人の男たちの足元では、顔も体もボロボロの包帯で覆われた少年が、頭を抱えうずくまっている。
謝憐はその少年を認めると、驚愕に目を見開いた。
”あれはまさか…。与君山の少年だ!”
「えっ?殿下?」
騒動のもとへ駆ける謝憐に風師は戸惑うが、謝憐は彼の言葉に振り返らなかった。
「何をしている?!」
そう声を張り上げ、男たちを押しのけて少年の手首をつかみ、助け起こそうとする。
「大丈夫ですか?」
それに少年が答える間もなく、一人の男がケッと唾を吐き、突如現れた邪魔者にすごむ。
「お前は一体何者だ?どこから湧いて出やがった?」
しかし謝憐はそれを無視し、少年に微笑みかける。
「ほら、立てる?」
顔を上げた少年は、謝憐を見てハッと固まった。彼もまた与君山で謝憐と出会ったことを思い出したのだろう。
「もう大丈夫…」
「ああああああ!」
少年は謝憐の言葉を遮って跳ね起き、悲鳴を上げながら謝憐をドンと突き飛ばした。
そのまま謝憐がやってきた方向へ、風師と郎千秋の横を通り、走り去っていく。
「!」
2人は状況が分からず、それを止めることもせず立ち尽くすばかりだ。
「風師、”これ”を頼みます!」
そんな2人の横を、謝憐も少年の後を追って行く。
「すみません!すみません!」
通行人をよけながら走り去っていく謝憐をぽかんと見送り…謝憐の言う“これ”へと振り返った。
そこに残るは当然、怒り狂った男たちだ。
「奴らを捕らえろ!」
「…。」
賑やかな鬼市、その人ごみの中で謝憐は少年を追い続けていた。しかし彼の眼前にはもう少年の姿はなく、しかし諦めきれずに足を動かしていた。
ふと顔を上げると、そこには赤々と灯る提灯、空を泳ぐ金魚、飛ぶ生首。
地を歩く者も異形ばかりだ。怪しく美しくも、恐ろしいそれらの騒めきからなんとか離れ、謝憐はほっとしたように息を吐いた。
そして彼は、眼前に現れた建物に気がついた。
それは先ほどまでいた賭場よりも大きく立派で、月を背負うようにして建っていた。
中からはかすかに歌声が聞こえてくる。
謝憐が見上げる極楽坊の中では、何人もの踊り子が魅惑的な衣装に身を包み、舞を披露していた。
彼女たちの王はやはり、三郎だ。
彼は玉座に座り、何もかもを見透かしたように笑み、つぶやいた。
「ここまで来て、どうして入ってこないのですか?」
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最後の三郎の衣装、やばい…。えろすぎるでしょ…。
こんなに露出している三郎初めてですよね!
っていうか、天官賜福の人たちは基本厚着というか、重ね着して、裾や袖はひらひら長いですよね。
それがこんな、腕出して…!やば…。
次の話はこの格好の三郎の出番でしょうかね?楽しみすぎる…。