天官賜福 bilibili 英語版の和訳 #43
天官賜福 英語版漫画の和訳 #43です。
☆登場人物の台詞を理解することが主な目的なので、台詞以外の、絵で表されている描写は最低限しか書いていません。
☆登場人物や場所の漢字が間違っている可能性があります。読んでくださって間違いに気づいた方は教えてくださったら嬉しいです。
☆意訳・省略ありです。
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「兄弟たちよ!」
刻磨将軍の呼びかけに、半月兵たちは雄叫びで応じる。同時に穴の中からも赤い靄のようなものが登ってくる。
「下に何があるんだ?」
天生が怯えて叫ぶ。
「兵たちの魂だ。彼らの魂は恨みを募らせていて、心の内の憎しみは生きた肉と血を食べることでしか抑えられない。それがなければ、彼らは苦しみで毎夜叫び続ける。」
三郎の言葉に天生と商人はさらに顔を青くする。
「怖がらないで。何か起これば、私が真っ先に突撃しよう。」
そう言って謝憐は荷の結び目をきゅっと締め直した。
将軍が部下に指示を出した。
「2人投げ落とせ。他の者は連れていき、目を光らせておけ。」
その言葉を理解したのだろうか。阿昭は床を蹴り穴を飛び越え、剣で将軍を狙う。だが剣は手甲であっさりと防がれ、将軍が腕を振るうと阿昭は空に跳ね飛ばされた。
そして阿昭は悲鳴を上げることもなく穴へと落ちていった。
「阿昭―!」
謝憐は阿昭が落ちていった穴を困惑の表情で見つめる。
どうしてこんなことになった?私はてっきり阿昭が…。
謝憐の思考は天生の叫び声で遮られた。
「ああ!助けて!連れて行かないで!」
半月兵が天生の髪を掴み引きずっている。次は彼を落とすつもりなのだろう。
「将軍、やめてください。」
謝憐が半月語で将軍に話しかける。
「お前、我々の言葉を話せるのか?どこの出身だ?」
「中原だ。」
それを聞いて半月兵たちが怒声を上げる。
「卑劣な中原人だ!」
「そいつを落とせ!」
しかし将軍が手を上げ彼らを静める。
「我らの国は200年以上も前に砂漠へと消えた。しかしお前は半月国の出身でないのに我らの言葉を話せるようだ。お前は一体何者だ?」
「私は…。」
謝憐は緊張に口元を引きつらせるが、後ろの三郎をちらりと見て覚悟を決めた。三郎はこの状況下でも変わらず泰然としている。
もしどうしても納得させられなかったら、口の立つ三郎に助けてもらおう。
咳ばらいをして、筋の通ったでたらめを並べようと口を開く。
「私は…」
しかしその時、穴の底からいくつものうめき声が聞こえてきた。
「腹が減った…」
「足りない…」
「もっとくれ…」
それに将軍がフム、と頷き、天生を捕らえている兵士に合図する。
「その子供は既に食われたも同然だ。さあお前の番だ。」
だが謝憐が天生の服を掴み制止する。
「将軍、私が先に行く。彼らは無実の、ただの通りすがりの商人だ。それにこの子はまだ子供だ。」
それを聞いて将軍は吐き捨てるように言う。
「お前の国の兵は、半月国を血祭りにしたとき、無実だの子供だのを考えたのか?それにお前は怪しすぎる。聞きたいことがあるから、お前はまだ落とさぬ。」
これに謝憐はグッと詰まってしまう。
仕方ない、こうなればほかに選択肢はない…。
謝憐は兵たちが止める間もなく自ら穴へと足を踏み出す。しかし飛び降りる間際、三郎の姿が目に入った。彼も穴の淵に立っている。
「三郎?」
三郎はすぐにでも落ちてしまいそうだ。謝憐は慌てて声をかける。
「大丈夫だ。怖がらないで。三郎、戻ってくれ。落ちそうで恐ろしい。」
三郎は謝憐の方を向き、不敵な笑みを浮かべる。
「心配しないで。ちょっと行って来るだけです。」
風が吹いた。三郎の髪ひもが緩み、髪がひもから逃げていく。三郎が穴へと身を落としたのだ。
「すぐに会えますよ。」
「待って…三郎!!!」
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阿昭が落ちて、どうして…。となる謝憐の顔好き…。美しい。
あと三郎が穴に落ちようとするのを、何とか笑みを浮かべて止めようとする顔。
謝憐の焦り顔や困り顔好きだなぁ。
三郎も今回はアップ多かった!
穴に落ちる前に心配しないで、って笑う顔がとてもいい!いたずらっ子っぽいような、いつもより少年みのある笑顔!美しい。
そして落ちるときにほどける髪ひも…。顔は見えないけど、そこだけでもう色っぽい!
眼福でした…。