天官賜福 bilibili 英語版の和訳 #55
天官賜福 英語版漫画の和訳 #55です。
☆登場人物の台詞を理解することが主な目的なので、台詞以外の、絵で表されている描写は最低限しか書いていません。
☆登場人物や場所の漢字が間違っている可能性があります。読んでくださって間違いに気づいた方は教えてくださったら嬉しいです。
☆意訳・省略ありです。
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謝憐は阿昭の顔をじっと見つめ、昔見た顔であると思い出して目を見開いた。
「…!あなたはよく半月と一緒にいた…軍に入隊した永安の若者だ!」
「それは私です。私もやっとあなたに気づきましたよ、将軍。」
そこで刻磨が唾を吐き、謝憐と三郎に呼びかける。
「おい!縄をほどけ!私はこの卑劣な裴宿と死力を尽くして戦わねばならん!」
何も言えずにいる謝憐に代わり、裴宿が口を開く。
「第一に…私たちは200年前に死ぬまで戦い…お前は負けた。第二に…私がどう卑劣なのかを尋ねたい。」
「ハッ!どう卑劣なのだと思う⁈お前たちが内と外で結託していなければ、我らは負けなかったのだ!」
「刻磨、認めろ。私は2000の兵しか率いていなかったが、都の門を突破するのは時間の問題だった。門が開こうが開くまいが、お前は負けていたのだ。」
その言葉に謝憐は口をはさむ。
「もしそうなら、何故あなたは半月に門を開けさせたのですか?」
「それは…私は都を虐殺しなければならなかったからです。」
そして裴宿は遠い過去を思い返す。
「半月の人々は生まれつき狂暴で、永安を非常に憎んでいました。都を守れる可能性がほとんどないと分かると、名家の指導者たちは包囲の前夜に計画を立て、すぐにある道具を生産したのです。
その一夜で、半月のすべての老若男女が準備をしました。彼らは爆発物を持ち歩き、都が落ちたら永安に分散して向かうという計画を立てたのです。永安に着くと群衆に溶け込み、爆発物を爆発させる機会を待つつもりでした。
彼らが死ぬとしても、永安の民を巻き込んで死なねばならなかった。たとえ半月国が崩壊しても、永安に二度と平和が訪れぬようにかき乱さねばならなかった。
それが彼らの目標でした。」
「悪質だな。」
三郎は笑みを浮かべてそういうが、謝憐はその話に驚愕した。そして刻磨に問う。
「彼の言葉は真実ですか?」
将軍は鼻を鳴らして答える。
「真実だ。しかしお前たちに我らが悪質であると言う権利はないぞ。永安人どもが国を滅ぼそうとしなければ、我らもそこまですることはなかったのだ。」
「そうか?では始めから全てを明らかにしよう。
あの年、半月人は国境で何度道理のない騒動を起こした?どれだけの永安の隊商や旅人が、西平原に向かう際に半月国に卑劣な妨害を受けた?
お前たちは皆、国に永安人を虐殺し略奪する馬泥棒がいると知っていたのに、彼らを黙認し保護したな。そしてお前は泥棒を包囲し鎮圧するために送られた永安兵を、不法に国境を越えたとして殺した。
それは悪質ではないのか?」
将軍は焦って反論する。
「お前たちが最初に我らの土地を占領したから、反撃をしたのだ!我が国は既にはっきりと国境を引いていたのに、お前たちはそれを守らなかった!」
裴宿はくだらない、とでもいうように首を振った。
「両国の国境がはっきりしていないというのに、どうして強制的な占領と言える?
さらに、お前の言う”引いた線”では砂漠はすべて永安のもので、オアシスはすべて半月のものだった。永安がいつそれを承諾した?
実際に土地を無理やり占領しようとしていたのは誰だろうな?」
刻磨は我慢ならなくなり激昂した。
「オアシスは我らのものに決まっているだろう!半月の祖先が生まれ育った土地だぞ!お前たち異邦人が我らの土地を分割する権利があるか!」
それを聞き、裴宿の剣を握る手に力がこもった。
そして彼はふっとその場から姿を消す。気づいた時には裴宿は刻磨の目の前に現れ、彼の顔面を蹴り飛ばした。刻磨は勢いよく飛ばされ、壁に激突する。裴宿はそれを冷たく見つめ、静かにつぶやいた。
「ほら、見てください。この世には、話し合いでは解決できず、拳で解決するしかないものばかりです。」
謝憐は彼の恐ろしい行動に顔を引きつらせる。
「…あなたの言葉の前半には同意しますよ。」
「ハハ、僕は後半に賛成。」
三郎は相変わらず面白そうに笑っている。
「たいていの永安人は恥知らずだ…。」
壁まで飛ばされた刻磨が弱々しく口を開く。
「だが裴宿、お前は間違いなく、私が見た中で一番の恥知らずだ。お前は、お前の国や民のために我らを殺したのではない。」
刻磨は裴宿を力強くにらみつけた。
「誰もがお前を、亡命した男の息子を見下した。お前は永安軍での地位を維持し、階級を上げようとしていただけだ。お前は戦に勝つために半月を使ったが、彼女はお前を善人だと信じていて、お前のために国を裏切ったのだ。なんと情けなく哀れなことか!」
しかし裴宿は刻磨の言葉に動じることはなかった。
「半月は半月人であると同時に永安人だ。彼女はただ片方を選び、最後まで忠実であった。裏切りなどではない。それに半月人には二面性がある。私は彼らを処刑したことを全く後悔していない。」
その時だ。辺りに女性の声が響いた。
”彼らを処刑したことに全く後悔がない?なんて発言なの!では何年もの間、この坑に罪のない人々を誘い込んで殺したことも、同じように悔いはないと言うの?”
そしてその人物は払子を優雅に振り、罪人坑の底にとてつもない風を起こした。
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やっぱりほとんど説明文の時は和訳キツイ…。登場人物たちの美しい顔があまり出てこないからモチベーションが…。
次の話は美しい風師が出てくるから楽しみます!