天官賜福 bilibili 英語版の和訳 #59

天官賜福 英語版漫画の和訳 #59です。

 

☆登場人物の台詞を理解することが主な目的なので、台詞以外の、絵で表されている描写は最低限しか書いていません。

☆登場人物や場所の漢字が間違っている可能性があります。読んでくださって間違いに気づいた方は教えてくださったら嬉しいです。

☆意訳・省略ありです。

 

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「主に、この期間の中で私があなたをどう試しても、何の綻びもなかったからです。だから私はあなたが”絶”の等級のはずだと考えたのです。」

謝憐は三郎の正体に気付いた理由を説明する。

「さらに、あなたはいつも赤の…楓の葉と血の色に身を包んでいる。あなたの発言と行動、限りのない知識と能力、そして何事にも恐れのない表情。」

謝憐はむしろの横に置いた蠟燭に火をともした。

「その振る舞いを見て、神々が恐れを込めて話している血雨探花のほかに、可能性はないと思ったのです。」

「誉め言葉として受け取っても?」

「誉め言葉でないとしたら他に何があるの?」

三郎はそれに目を閉じて笑みを浮かべる。

その時だ。謝憐の風呂敷の中から壺が飛び出した。

「半月、目が覚めた?」

壺はころころと転がり、外へと出ていく。

壺は外に出ると転がるのをやめた。夜空を眺めているのだろうか。

謝憐はその横に腰を下ろす。

「北西部で見られる景色とは違うけれど、ここも天の川が見事です。まだ村には日が昇っていない。見てみたい?」

三郎がそんな謝憐に後ろから声をかける。

「彼女は半月国から出てきたばかりでまだ弱っている。しばらくその中にいた方が良いでしょう。」

 

道勧の外では蛍が小さな光で辺りを照らしている。しばらく黙ってそれを眺めていると、半月の方から声をかけてきた。

「花将軍。」

「うん?」

「小裴将軍はどうなるのでしょうか?」

「分からない。しかし、彼は己の間違った行動の罰を受けるでしょうね。」

「そうですか。しかし本当は…小裴将軍は悪くないのです。彼は昔私を助けてくれた…。刻磨はいつも、私の思考能力は彼のせいで濁り、利用されていたのだと言って罵りました。彼が私を使っているにせよ使っていないにせよ、都の門を開けたのは私が選んだことなのです。」

謝憐はふっと笑い、頭を撫でるように壺の蓋を撫でた。

「もういい、今ではもう全て過去のことです。」

 

またしばらく沈黙し夜風を感じていたが、半月が口を開く。

「ごめんなさい、花将軍。」

「…。半月、どうしてずっと私に謝るの?」

「”私は万人を救いたい”。」

その言葉を聞いて、謝憐はぎょっと体を強張らせる。

「花将軍、あなたが昔言っていたことで…」

「待って、待って!」

謝憐は焦り、口をふさぐように壺の蓋を抑えた。

「本当に前にそんなことを言った?」

謝憐は顔を赤くしている。

「将軍、言っていましたよ。」

半月は真剣な表情だ。

「一度、私に尋ねたことがあります…。」

2人で蹴鞠をしていた時のことだ。

「半月、あなたは大きくなったら何がしたい?」

「う~ん…。わかんない。」

半月が蹴った鞠は謝憐の顔面を直撃する。半月は焦るが、謝憐は何事もなかったように質問を続ける。

「どうしてわからないの?」

「ご、ごめんなさい!…花将軍、あなたは?」

「私の子供のころの夢は…万人を救うことだ!」

 

それに謝憐は額を抑える。

「半月…なぜそんな何気ない言葉を覚えているの?」

「しかし花将軍、あなたはとても真剣に言っていたのです。そして他にもたくさん、同じようなことを言っていました。」

“あなたを止められるものはない”

“正しいと思うことをしなさい”

“100回泥に落ちようとも、強くなり立ち上がらなければならない”

半月が次々と語る過去の自分に、謝憐は絶望する。

これは大変だ…。なんて戯言だ…。何故、そんなことを言うのが好きだったのだろう…。私はそんな人間か?そんな人間じゃないぞ…。

そんな謝憐をよそに、半月は寂しそうに言った。

「しかし今はもう…何が正しいことなのか分かりません。」

半月は静かに続ける。

「あなたが昔言ったように、私は万人を救いたかった。しかし結局、私は半月国を壊滅させました。」

 

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謝憐に誉め言葉でなければ何?と言われて笑みを浮かべる三郎の横顔美しい…。

道勧の外で蛍を見つめる謝憐美しい。すごく静かな表情で美しい。

飛び立った蛍に顔と眼を照らされる謝憐も美しい。瞳がとてもきれい。

 

半月に「万人を救いたい」を言われて、目がぐるぐるで顔を赤くして焦る謝憐可愛い!

そのあとも過去の発言を掘り起こされて絶望している謝憐…。の後ろの三郎!

何ですかあの顔~??

あの笑み!声には出さない言葉!

謝憐にとって過去の自分は、身の丈知らず、そんな大層なこと言っていい人間か?っていう感じなのだろうけど、三郎はそれに救われたのだろうなぁ。

そして半月も過去の謝憐の姿や言葉を目標として生きた。決して謝憐の生き方・言葉を馬鹿にせず。

きっと三郎はそんな半月のこと、そこそこ気に入っているんじゃないだろうか?謝憐に対して真摯な人のことは気に入りそうですよね。