天官賜福 bilibili 英語版の和訳 #73
天官賜福 英語版漫画の和訳 #73です。
☆登場人物の台詞を理解することが主な目的なので、台詞以外の、絵で表されている描写は最低限しか書いていません。
☆登場人物や場所の漢字が間違っている可能性があります。読んでくださって間違いに気づいた方は教えてくださったら嬉しいです。
☆意訳・省略ありです。
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粉砕された卓の欠片をよける郎千秋に向かい、三郎は下から上へスッと指を持ち上げた。
すると郎千秋は為すすべなく宙へ浮かび上げられ、観客が大いに沸く。
「今日は面白い獲物を捕まえた。賭けに勝つ強運を持ったものが、家に持ち帰り調理すると良い。」
「…。」
三郎の言葉に歯噛みするが、郎千秋は手を動かすことすらままならなかった。
「大小をしよう!大小だ!一番大きい目を出した者が餌として彼をもらうんだ!」
「この男、すごく栄養がありそうだな、へへへ…。」
「ハハハハハ、愚か者め。誰の縄張りか知りもしないで騒ぎを起こしやがった。」
「事がややこしくなった!」
思いもよらぬ展開になり、風師は顔を青くする。
「どうしましょう?彼を取り戻すために、私たちも賭けをしますか?それとも戦い始めるべきでしょうか?」
謝憐も難しい顔で考えるが、ふと風師に尋ねる。
「風師、あなた、運はどうですか?」
「良い時もあれば、悪い時もありますよ。運は保証できるものではないでしょう。」
風師の言うことは至極もっともであるが、謝憐に限っては違うのだ。
「出来ますよ。例えば私です。何度賽を投げても、せいぜい二しか出ないでしょう。」
「???そんなに悪いのですか?」
大きい目を出した者が郎千秋を得ると話が進んでいっている中、そんな謝憐では勝負になりそうにない。
しかし風師は謝憐の発言にひらめき、顔を輝かせた。
「こんな作戦はどうでしょう?
せいぜい二しかでないなら、小さい出目を賭けるのです。あなたより小さい出目を出せる者はいない。」
謝憐は得心して頷いた。
「なるほど。やってみましょう。」
謝憐は顔を隠した風師と共に階段を下りながら、階下の者たちに呼びかけた。
「皆さん、規定を少し変更して、誰が最も小さい目を出すかやってみませんか?
最も出目が小さい者が勝ち。いかがです?」
この提案に反対する者こそいなかったものの、反応は芳しくない。
「それ…やってよかったか?」
「禁止されているはずだ!」
つられたように宙に浮いたまま郎千秋も叫ぶ。
「なぜ私が賞金になっている?!失礼が過ぎるぞ!
鬼どもめ!解放しろ!おい!聞いているのか?!」
だが彼の叫びは誰の耳にも入らないようだった。
「失うものなんてない賭けだ。お前行けよ。勝ったら飯が手に入るぞ。」
「揚げ物は美味いぞ。奴をタレにつけて…」
「おい、腹を空かせるなよ。」
周囲がざわつく中、謝憐は賭けが始まってしまう前に壺を一振りした。
出た目は2つとも六。最小の出目を勝ちとするよう提言した直後にこれだ。
さすがの風師も何も言葉を発せられない。
「規定が逆転しても、私の運の悪さは変わりませんね。」
「やはり戦い始めるべきです。」
眉間のしわを揉む謝憐に、風師が焦ったように耳打ちするが、既に遅かった。
「皆さまお静かに。」
先ほども賭けの進行を務めていた女性が現れ、垂れ幕を恭しく示す。
「我が主からのお声です。主は規定を変更するとおっしゃっています。
またご機嫌でいらっしゃるため、この場にいる皆さまとの勝負をお望みです。」
どなたも歓迎いたします。
勝者は上の物を持ち帰り、お好きなように処分していただき結構です。」
これを聞いて、賭けに乗り気だった者たちが尻込みする。
「ほう?ふむ…。」
「主と賭けを?勝つ望みが無いな。」
威勢が変わらないのは郎千秋だけだ。
「貴様”物”と言ったか?!私は物ではないぞ!放せ!」
喚き叫ぶ彼に、謝憐と風師はげっそりとする。
”この子供め…。お願いだから静かにしていてくれ…。”
気を取り直し、謝憐は垂れ幕を見据え拱手した。
「そういうことでしたら、どうか挑戦させてください。」
「では、どうぞ。」
賭けは淡々と始まろうとするが、垂れ幕の中では三郎が居住まいを正し、じっと謝憐を見つめた。
そして…
「お待ちを。」
三郎が女性に何事か囁いたようだ。
まさに壺を振らんとする謝憐を制止する。
「我が主が、あなたが正しい壺振りの姿勢を取っていないとおっしゃっています。」
「正しい…姿勢?」
きょとんとする謝憐だが、すぐにハッとした。
“もしかして…私の運がこんなにひどいのは、単に正しい姿勢ではなかったからなのか???”
ならば、と恐れなく尋ねる。
「では、正しい姿勢をお聞きしても?」
「我が主はお客様に、こちらにおいでになるよう求めています。主自ら教授されるそうです。」
それに周囲はざわついた。
「主がそんなことを人に教えるなど、これが初めてだ!」
「こいつ死ぬんじゃないか。」
中には、言葉通りの意味ではなかろうと笑う者もいたが、女性の催促に皆沈黙した。
「お客様、どうぞ。」
謝憐はその言葉を受け、静かに垂れ幕へと足を進めた。
垂れ幕の前に立つと、やがて三郎の黒い靴が見え、幕の間から両手が差し出された。
幕に遮られながらも目を合わせるように見つめてくる謝憐に、三郎は笑みを浮かべた。
大きな手で、壺を持った謝憐の手を包み込み尋ねる。
「大小、どちらに賭けますか?」
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最後のシーン素敵ですね!
真正面からこういう風に見つめあう二人、今まで描かれていましたっけ?
花城の姿の時って、まだ
・与君山で連れ立って歩く
・半月国で謝憐をお姫様抱っこしてる・隣立つ
くらいしかしてないですよね?
早く垂れ幕取っ払って、眼前で笑い合って~!
それはともかく、こうして見ると三郎やっぱりめちゃくちゃ背高い...。
手も大きい...。謝憐の手をすっぽり包んでる。
手を包む前の、謝憐と三郎のアップの顔とても綺麗。とても素敵。
眼福すぎる。
2人が素敵なのは当然なんですけど、デフォルメキャラ?(絵が綺麗すぎてデフォキャラと言っていいのか迷うのですが)の謝憐と風師が可愛いですよね!
キラキラしてて、目に星が描かれてて可愛いです。
本当に今回も眼福でした。早く2週間経ちますように!