天官賜福 bilibili 英語版の和訳 #74

天官賜福 英語版漫画の和訳 #74です。

 

☆登場人物の台詞を理解することが主な目的なので、台詞以外の、絵で表されている描写は最低限しか書いていません。

☆登場人物や場所の漢字が間違っている可能性があります。読んでくださって間違いに気づいた方は教えてくださったら嬉しいです。

☆意訳・省略ありです。

 

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幕に遮られながらも目を合わせるように見つめてくる謝憐に、三郎は笑みを浮かべ、

壺を持った謝憐の手を包み込んだ。

「大小、どちらに賭けますか?」

そう尋ねられ、謝憐は慌てて顔を伏せた。

「大に賭けます。」

「分かりました。では、先に私がしましょう。」

そう言って三郎は謝憐の手を動かし、壺を持ち直させる。

「…。」

謝憐は少し顔を赤らめ、されるがまま三郎の手と共に壺を振る。

「見てください。こうやって振るのです。」

そして蓋を開けると、出た目は六と五。

「!」

謝憐は大きく目を見開いて顔を輝かせた。

「さあ、やってみてください。」

そう言われ、次は一人で壺を持ち、やる気に満ちた顔で壺を振る。

しかしあまりに不格好で、すぐに三郎に止められてしまった。

 「そうじゃありません。こんな風に。」

「こう?」

「ええ、そうです。」

また三郎とともに壺を振り始めたが、賭場の隅でキャアキャアと自分たちを見て笑っている女性たちにようやく気付き、謝憐はまた顔を赤らめた。

そんな謝憐に気付いているのかいないのか、三郎はするりと手を離した。

「いいですよ。開けてみてください。」

そうして出た目は…

「!」

“三が2つ!かつてないことだ!本当にコツを掴んだのだろうか?!”

謝憐は興奮するが、賭けには負けてしまったことに思い至り、すぐにコホンと咳ばらいをして気を落ち着かせる。

「申し訳ありません。私の負けです。」

だが三郎は笑みを浮かべ、その言葉を否定する。

「心配いりません。今のは勝負に入れませんよ。教えているだけです。」

これに驚いたのは観客たちだ。中にはあごが落ちそうなほど驚愕している者もいる。

「主は何を…?あの男に恥をかかせようとしているのかと思ったが、本当に教えているのか?」

「今のが勝負に入らないのなら、どれが勝負になるんだ?」

「いつまでも勝負をしないなら、賭けはいつ終わるんだ?今日は、主はお忙しくないのだろうか?」

困惑が広がるが、それに追い打ちをかけるように「もう一度しますか?」と声が聞こえてきて、観客たちは

“今日の主は本当に機嫌がいいのだな…。”

と思うほかなかった。

 

もう一度三郎と共に壺を振ると、出た目は四が2つだった。

「ほら、増えませんでしたか?」

「ええ…増えました。」

「良い調子です。続けましょう。」

そう言って三郎はまた練習を続けようとする。

“三郎は私を楽しませようとしているのだろうか…?”

そう思って謝憐が顔を赤らめたその時、郎千秋の我慢が限界に達した。

「おい!壺を振るのをやめろ!そいつは明らかに嘘をついている!正しい姿勢なんてものはないぞ!絶対にいかさまをしている!」

怒声を上げる彼に、観客たちも怒声で返す。

「無知な野郎め!馬鹿なこと言うんじゃねえ!面白いもの見てんだから!」

「主の教えに従ったら、出目が良くなったじゃないか!」

「そうだぞ!お前に何が分かるんだ?!」

「坊や、騒ぐんじゃないわよ。次減らず口をきいたら、裤子おろしてやるから!」

「き…貴様!」

喜色満面で投げつけられた最後の言葉に、郎千秋は顔を真っ赤にして暴れ狂った。

 

「…三郎。」

いよいよ気の毒になってきた郎千秋を見上げ、謝憐は三郎の名を呼んだが、三郎は謝憐の手を離さなかった。

「彼のことは気にしなくていいです。続けましょう。」

謝憐はため息を漏らしたものの、結局三郎の言葉に従った。

 

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三郎、ほかの鬼の目がある場所だったら、謝憐にどんな口調で接してるんだろう?

王らしく尊大な感じ出すのかなぁ。とかも思うのですが、そんなの想像できないから、結局丁寧な口調で訳しました。

謝憐可愛いなぁ。顔赤らめるの可愛いですね、最高です。