天官賜福 bilibili 英語版の和訳 #72

天官賜福 英語版漫画の和訳 #72です。

 

☆登場人物の台詞を理解することが主な目的なので、台詞以外の、絵で表されている描写は最低限しか書いていません。

☆登場人物や場所の漢字が間違っている可能性があります。読んでくださって間違いに気づいた方は教えてくださったら嬉しいです。

☆意訳・省略ありです。

 

▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

「半、半、半…。」

異形面の男は血走った眼でぶつぶつ呟きながら、恐る恐る壺を持ち上げていく。

そうして出た賽の目は、一と四。

「半だ!」

男は狂喜する。

「ははははははは!勝った!勝ったぞ!」      

「おめでとうございます。あなたの商売は直に好転するでしょう。」

男は娘の命10年分と引き換えに、商売の好転を願っていたのだ。

卓の傍に控えた女性が、その願いの成就を伝える。

しかし男にはさらに欲が出てきてしまった。

「待て!まだ賭けるぞ!」

大きく笑み、再度卓に向き直った。

「俺は…俺は、商売敵全員の突然死を望む!」

 

男の壮大な願いに、周囲の者は静まる。

「その願いは、先ほどの物よりも難しいことでございます。あなたのご息女の命10年分では足りませんわ。

別の願いにされては?あなたの商売の、順調な成長などはいかがでしょう?」

女性の提案を、男は喚くように遮る。

「駄目だ!これが俺の唯一の願いだ!

足りぬなら、もっとやろう!娘の命20年を賭ける!結婚の定めも賭けよう!」

常軌を逸した男の発言に、再び喝采が上がる。

「なんて邪悪な奴だ!この父親、おかしくなって娘を売りやがった!」

「正気じゃないな!自分の子供だぞ!」

「素晴らしい屑だ!」

謝憐は、三郎はこんな賭けはさせないだろうと思い、落ち着きをもってその様子を見つめていた。

しかし予想に反し、賭けは進行していく。

「丁が負け、半が勝ちですわ。一度壺をもてば、やり直しはききません。」

”駄目だ、止めなければ!”

駆け出そうとした謝憐だったが、彼の腕は何者かに掴まれた。

「!」

それは、男の姿に戻った風師青玄であった。彼はいつになく真剣な表情で謝憐を制止した。

「そんなに衝動的になってはいけません。しばし様子を見ましょう。」

 

2人は隣立ち、階下で緊張をほぐそうとしている異形面の男を見つめた。

「風師、どうやってこの場所を見つけたのですか?」

「あぁ…話せば長くなります…。

手短に言えば、ここで千秋と会えるよう手配しているのです。

まさか、ここに入ってすぐにあなたを見つけるとは思っていませんでしたが。」

「千秋と会う手配を?」

驚く謝憐に、風師は微笑む。

「ええ。千秋とは、郎千秋、東方の武神“泰華殿下”のことですよ。ここでは彼と組む方が都合が良いでしょう。」

そう話しているうちに、階下では怒号が飛び交い始めた。

ゆっくりと緊張をほぐす男に、観客たちが焦れ始めたのだ。

「グズグズするな!待たせるんじゃねぇ!」

「そうだ!」

「後悔してるんじゃないだろうな?」

「ははは!臆病者め!」

だがそれを遮るように、男がパンと手を打ち鳴らした。

まだ顔に冷や汗が浮かんでいるが、覚悟は決まったようだ。

壺にゆっくりと手を伸ばしていく。

しかし、その手が壺を持ち上げようとしたまさにその時だった。

ドゴッと大きな音が響く。

何者かの拳が、男の手を壺ごと卓にめり込ませたのだ。

「ああああああああ!いてぇぇ!俺の手が!」

間違いなく骨がボロボロに砕けただろう。男は絶叫する。

しかし男を襲った者は、さらに彼を床に蹴り伏せる。

「何という残忍な性根だ!」

そう怒るのは、たった今謝憐と風師が話題にしていた武神、郎千秋だ。

「名声や財産を望むだけなら構わんが、他者の死を望むとは!あげく、自分の命ではなく、娘の命と結婚の定めを賭けるだと?!」

彼の剣幕に気圧されながらも、謝憐は小声で風師に尋ねる。

「風師…。彼に、気づかれぬようにせねばと言わなかったのですか?」

「はぁ…。どうしたものか…。」

風師は頭を抱えている。

 

「お前は男と呼ぶに値せぬ!父親などもってのほか!」

憤然とした郎千秋に笑みを浮かべ、垂れ幕の奥から三郎が声をかける。

「私の縄張りで騒ぎを起こすとは…。ずいぶんな大胆者だな。」

一通り怒鳴り、郎千秋は落ち着いたようだ。

「お前がこの賭博場の主か?」

そう静かに問いかけ、周囲を見渡す。

そこにいるのは、彼に戸惑いと敵意の目を向ける異形の者共。

「ここは煙が充満したみじめな穴蔵だ。客は全て鬼!どんな化け物がここに来て、どんな悪さをしている?!

この場に人間性の欠片もないのならば…滅ぼしてくれる!」

郎千秋は法力を纏わせた掌で卓をドンと突いた。

すると卓は勢いよく垂れ幕へと向かっていく。

しかし三郎が笑みを浮かべて指を軽く振ると、卓は垂れ幕にはじかれ、数倍の威力で郎千秋へと返される。

「!!」

郎千秋はそれに驚きを隠せないようだったが、足を踏ん張り、卓をなんとか抑え込んでみせた。

彼は再度卓を跳ね返すが、三郎が笑むと同時に卓は粉砕された。

降りかかる欠片をよける郎千秋に向かい、三郎は下から上へスッと指を持ち上げる。

「!!!」

すると、郎千秋は為すすべなく宙へ浮かび上げられてしまった。

 

▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

三郎のお顔が出てきた~!

やっぱり綺麗ですねぇ!

目が銀色だ!今まで黒か赤で表現されてきたと思うんですけど、今回銀色だ!

綺麗ですねぇ!

続きめっちゃ気になるなぁ!

続き読むために再来週まで頑張って生き延びねば…!