天官賜福 bilibili 英語版の和訳 #71
天官賜福 英語版漫画の和訳 #71です。
☆登場人物の台詞を理解することが主な目的なので、台詞以外の、絵で表されている描写は最低限しか書いていません。
☆登場人物や場所の漢字が間違っている可能性があります。読んでくださって間違いに気づいた方は教えてくださったら嬉しいです。
☆意訳・省略ありです。
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謝憐は豪華絢爛な賭場を、ある不安と共に見上げた。
“風師…。まさか、ここで遊んでいないよな…?”
さすがにないだろう、と賭場を一旦は通り過ぎようとしたものの、やはり気になってしまう。
“…うん、少し見てみるだけだ。”
そうして謝憐は賭場に足を踏み入れた。
入り口の階段を上っていると、すぐに男の呻き声が聞こえてきた。
「足が…。」
男が担架で運ばれている。彼は膝から下がなく、傷口からは血が溢れている。
「俺の足が…。」
譫言のようにそう呻きながら、男は外に運び出されて行った。
“何があったのだろう…?”
緊張を滲ませつつも階段を登りきった時、赤い垂れ幕が開き女性の鬼が顔を出した。
「旦那様、遊びにいらしたの?」
「えっと…。」
謝憐は眉を下げて笑う。
「あの、お金を持っていないのですが、追い出したりしませんよね?」
「その心配は無用ですよ。」
そう言って笑う女性の背後の階下では、様々な賭け事に熱狂する多くの客の姿があった。
「ここで賭けられているのはもっぱら、お金ではありませんから。」
「そうなのですね。」
「そういうことでございますから、旦那様、どうぞおいでください。」
謝憐は奥へ誘われ回廊を進む。
女性の持つ香の匂い然り、そこかしこに垂れる赤い薄絹然り、賭場の内部は外観に劣らず豪華であった。
しかし毳々しくはなく上品さが感じられ、謝憐は惚れ惚れと辺りを見渡した。
その時だ。
「この手を賭けよう!」
回廊の先から叫び声が聞こえてきた。
長い卓を前に異形の面をつけた一人の男が立っており、多くの観客に囲まれている。
彼は卓を挟み、幕が垂れ隔てられた部屋と相対していた。
幕の奥から声がする。
「そんなものいらん。お前の手のみならず…お前の人生すら、ここでは全く価値がないのだ。」
謝憐はその声にピンときた。
“三郎だ!”
異形面の男はバンと卓を叩く。
「しかし…どうしてさっきの男は両足を賭けられたのだ!」
幕の前で侍る女性たちがそれを鼻で笑う。
「あの人は悪名高い泥棒だったのです。彼の足は軽くて貴重なの。対してあなたは…芸術家でも、医者でもない。あなたの手に何の価値があると言うのでしょう?」
そう言われて彼はすぐに、代わりに賭金となりうる、彼の持つ価値あるものを思い浮かべることができた。
「では俺は…」
目を血走らせゴクリと喉を鳴らし、覚悟を決めた。
「俺は…!俺の娘の命…10年分を賭けよう!」
わっと周りから喝采が上がる。男も下衆だが、観客たちも皆劣らず下衆であった。
謝憐は唖然と言葉を失う。
“そんな…それも賭金として使われるのか。世の中には、子供の命を賭ける父親が本当にいるのだ…。”
幕の奥では、威勢の良い男の叫びに三郎が口元を吊り上げた。
「いいだろう。」
そう言って、彼は指をスッと動かした。
「始め。」
すると卓上の壺が動き出し、男の目の前で静止した。
「丁が負け、半が勝ちですわ。一度壺をもてば、やり直しはききません。」
男は壺を手に取り、それを凝視しながら一度、壺を振った。
静かに壺を卓に置く。
「半、半、半…。」
血走った眼でぶつぶつ呟きながら、恐る恐る壺を持ち上げていく。
そうして出た賽の目は、一と四。
「半だ!」
男は狂喜する。
「ははははははは!勝った!勝ったぞ!」
「おめでとうございます。あなたの商売は直に好転するでしょう。」
卓の傍に控えた女性が、何故か神託めいたことを口にする。
しかし男にはさらに欲が出てきてしまった。
「待て!まだ賭けるぞ!」
大きく笑み、再度卓に向き直った。
「俺は…俺は、商売敵全員の突然死を望む!」
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そういう賭場なのか~!
自分の大切なものを賭けて、望みを叶えてもらう。
この話の面の男みたいに、下衆い賭金で下衆い望み叶える人が多そうだ...。
こんな賭け事してて、三郎は謝憐に失望されてしまわない?
大丈夫なの?!
美しい謝憐のお顔が見れて眼福です。
美しい三郎の口元や指が見れて眼福です。ですが三郎のお顔が見たいです…!
再来週に期待!
待ち遠しい!