天官賜福 bilibili 英語版の和訳 #76

天官賜福 英語版漫画の和訳 #76です。

 

☆登場人物の台詞を理解することが主な目的なので、台詞以外の、絵で表されている描写は最低限しか書いていません。

☆登場人物や場所の漢字が間違っている可能性があります。読んでくださって間違いに気づいた方は教えてくださったら嬉しいです。

☆意訳・省略ありです。

 

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「今回はありがとう。」

謝憐はそう微笑むと三郎から離れ、風師と郎千秋のもとへ向かう。

「彼がこの場所を作ったのだ。最初から善意などありはしなかった。何故彼に感謝するのだ。」

やっと難を逃れたばかりだというのに、郎千秋そんな不満を漏らす。

「殿下、これ以上何も言わないでください。行きましょう。」

「待ってください。」

また揉め事が起こる前にこの場を去ろうとする謝憐だったが、思いがけず三郎に制止された。

「賭けたものを手放さないつもりですか?」

「賭けたもの…?」

風師と謝憐は訝し気にするばかりだったが、郎千秋は行動が早かった。バッと謝憐の前に庇い立つ。      

「約束を破るのか?」

「今の賭けは、私の勝ちではなかったのですか?」

続けた謝憐に、三郎は飄々と答える。

「ええ、あなたは私に勝ちましたよ。しかし、その前に負けたことをお忘れなく、哥哥。」

「しかし、先の賭けは勝敗に数えぬと言ったではないですか。」

「もちろん、私との賭けは数えていませんよ。私が話しているのは…。」

三郎の目が面白そうに謝憐を見つめる。

「あなたがこの場に下りてきて、最初に負けた賭けのことですよ。」

三郎の言う通り、謝憐は試しに壺を一振りしたことがあった。しかしそれは賭けが始まっているとは知らなかったからだ。

郎千秋が憤慨して背に提げた剣を掴む。

「やはり、この男に善意のかけらもない!そう簡単に私たちを解放したりはしないのだ!もう拘束されはしないぞ!」

剣を構え戦闘態勢に入った彼を謝憐がなだめる。

「大丈夫ですから。そんなに興奮しないで。戦う必要はありません。」

そんな郎千秋無視して、三郎は笑みを浮かべて尋ねた。

「どうですか?哥哥。認めますか?」

謝憐は顔にほんの少しの不安を浮かべ黙ってしまうが、すぐにハッとした。自分が何を差し出さなければならないか、ようやく思い出したのだ。

「ええ。」

そう答え、謝憐は再び三郎のもとへ歩み寄った。

荷をゴソゴソさせ見つけ出したものを、三郎の掌へそっと乗せる。

それは謝憐が賭けた、食べかけの饅頭だった。

「あなたが言っているのは…これのことですね?」

「その通り。では受け取りましょう。」

饅頭を受け取った三郎の表情をみて、観客たちがざわめく。

「主があんなに穏やかなお顔で、本当に食べかけの饅頭をお求めになるとは?!」

「あれには何か隠された謎があるのか?」

「あの人はまるで、主の本当の哥哥のようだ。」

そんな声を背後に、謝憐は顔を赤くしている。

「えっと…それは冷たいし、ちょっと固いかもしれません…。」

「いいのです。気にしませんよ。」

それに対し謝憐は何も答えられず、「では私はこれで…。」

と逃げるように風師と郎千秋の元に戻った。

 

「主、主。次はどこへ?」

数名の観客が、期待した顔で三郎のもとへ寄っていく。

三郎は手にした饅頭を眺めながら答える。

「今日は愉快だ。極楽坊へ向かおう。」

その言葉に、わっと観客が沸く。

「やった!」

「今日は新年のようだな!」

風師、郎千秋とその場を去ろうとしていた謝憐は、賭場の歓声に振り向いた。

するとちょうど、美しい口で小さく饅頭にかじりついた三郎と目が合った。

謝憐は何故だか耳まで赤くなってしまい、顔を背けるようにして再び足を進め始めた。

 

「正直、正体がばれると予想してはいたが、こんなに早くとは思っていなかった。」

灯りの少ない路地で、風師が郎千秋を叱りつけていた。

「千秋、あなたはれっきとした武神であるのに、どうしてあんな衝動的なことができるのだ?私たちは今、鬼界にいるのだぞ!

もしあなたが捕らえられ正体が晒されたら、”神官が鬼界に潜入するために変装して、三界の平和を損なうおかしな行動をした”と噂が広まっただろう。それを天帝にどう説明しろと言うのだ?」

郎千秋はそれに対し、子供のように頭をかいて謝る。

「申し訳ない。先ほど、無謀な行動をしたことは確かだ。しかし…あの状況で私が出ていかなければ、誰も止める者はいなかっただろう。」

どうやらあまり反省していないようだ。風師がため息をつき、謝憐が困り顔を浮かべた時だった。

「あそこの客は正気では…」

「あああああああ!!!」

路の先から聞こえてきた悲鳴に、郎千秋の言葉はかき消された。

 

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謝憐がもう完全に恋しちゃってる顔じゃん…!

三郎に饅頭を渡して恥ずかしそうにしているの、三郎が饅頭を欲しがる理由になんとなく気づいて照れているからでは、と思ってしまいます。

それとも、この饅頭に秘密なんてないんだよ、ごめんね~!な恥ずかしさ?

とにかく可愛いです。

謝憐も三郎も綺麗です。

郎千秋は負けん気強くて可愛いです。

風師も可愛くて好きだから、今回やっと出番あって嬉しいです!

次の話は謝憐、風師、郎千秋がメインになるかな?

楽しみです!