天官賜福 bilibili 英語版の和訳 #22

天官賜福 英語版漫画の和訳 #22です。

 

☆登場人物の台詞を理解することが主な目的なので、台詞以外の、絵で表されている描写は最低限しか書いていません。

☆登場人物や場所の漢字が間違っている可能性があります。読んでくださって間違いに気づいた方は教えてくださったら嬉しいです。

☆意訳・省略ありです。

 

▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△△▼△▼△▼△▼△△▼△▼△▼△▼△▼

 

謝憐が少年に質問を始める。

「血雨探花という呼び名は、とても荘厳に聞こえます。そう呼ばれる由縁を知っていますか?」

「印象的なものではないですよ。」少年はつまらなそうに言う。

「彼はかつてある鬼の住処を壊滅しに行き、血の雨が降りました。彼は去るとき、血の雨に打たれている哀れな花を見つけ、傘で遮ってあげたのです。」

それは神秘的で優雅な場面だっただろうと思いながら、謝憐は質問を続ける。

「彼は人間だった時、どんな人物だったのだろう。」

「善人ではなかったでしょうね。」

「それじゃあ、彼の外見は?」

この質問に少年は目を細め、謝憐の隣へ移動してきた。

「あなたは…彼はどのような姿をしていると思う?」

「え?」

面白そうに微笑む美しい少年に圧倒されつつも答える。

「鬼王であるから、彼はきっと多くの姿に変化することができるでしょう。でも、彼の真の姿は、あなたのような若者かもしれない。」

はは、と少年は笑う。「どうでしょうね」

「でも…」そうして自分の右目を指す。

「彼は片目が見えません。自分でえぐってしまったのです。」

「なぜ?」

「気が狂ったから。」

「…彼には何か弱点がありますか?」

「彼の骨灰。」何でもないことのように少年は答えた。

謝憐は軽くため息をつく。

「残念だけれど、誰も彼の骨灰を手に入れることはできないだろうから、この弱点は役に立ちませんね」

「そうでもないですよ。鬼界にはある風習があります。」

少年の目の前に、ゆっくりと紅葉が落ちてきた。

「鬼は運命の人を選ぶと、自身の骨灰をその人に託すのです。」

少年は手に取った紅葉をそれが骨灰であるかのように謝憐に手渡した。

謝憐はそれを嬉しそうに受け取る。

「鬼界にそんな純粋で感傷的な風習があるなんて知りませんでした。でも、彼らが精いっぱいの思いで骨灰を託して、選んだ人によって消滅させられてしまうのだとしたら、とても悲痛ですね。」

「何を恐れることがあるのですか?もし僕が鬼なら、相手が骨灰を破壊したり、楽しみのためにまき散らしたいと思っても気にしませんよ。」

その言葉に思わず謝憐は彼の方を向いた。

だがそれについて追及はせずに話題を変えた。

「ところで、私たちは長い間話していますが、まだあなたの名前を聞いていませんね。」

「僕?僕は家族の中で3番目の子供なので、皆三郎と呼びますよ。」

謝憐も自己紹介する。

「私の姓は謝で、名前は憐です。…あなたも菩薺村へ向かっているの?」

「考えていません。ただ彷徨っているんです。」

「何かあったのですか?」

「家族と言い争って、家から追い出されたんです。目的地もなしに長い時間歩きました。今日はとても空腹だったから、どこかに横になる場所を見つける前に通りで気を失いそうになりました。」

それを聞いて、謝憐は包みを開き、饅頭を差し出した。

「食べますか?」

三郎は包みの中にはもう饅頭が残っていないことに気づいて遠慮した。

「あなたの分がないでしょう。」

「では半分こにしよう。」

2人は饅頭を分け合った。

 

日が落ち夜になったころ、

もおおお

と牛が大きく鳴いた。老人が急に止まった牛に驚き叫ぶ。

「な、なにが起こっているんだ?!」

謝憐が牛車から飛び降り老人に駆け寄る。

「どうしたんですか?」

「私にもわからない!牛が…!なあ老牛、なぜ進まないんだ?」

謝憐は不穏な空気を感じた。

「…今日の暦は?」

「中元です。」

三郎の答えに謝憐ははっとした。

7月の半ばには、鬼界の門が開く。

道の先に、ぼうとした青白い光が見えてきた。

謝憐は三郎を守るように彼の前に立った。

「今日はむやみに歩き回ってはいけない。間違った道を選ぶと…私たちは二度と戻ることができないだろう。」

 

▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△△▼△▼△▼△▼△△▼△▼△▼△▼△▼

 

三郎が骨灰について話す台詞「もし僕が鬼なら、相手が骨灰を破壊したり~」

これ「相手が」って訳したけど、本当は「彼」なんですよ。HE。

絶対もう特定の人物想定してますよね。謝憐のことですよね。

謝憐以外に骨灰渡す気ないし、謝憐になら何されたっていいんだねぇ。で、それ本人に言っちゃうんだぁ。

 

#22ではこの場面が一番、なんというか、良かったです。