天官賜福 bilibili 英語版の和訳 #25

天官賜福 英語版漫画の和訳 #25です。

 

☆登場人物の台詞を理解することが主な目的なので、台詞以外の、絵で表されている描写は最低限しか書いていません。

☆登場人物や場所の漢字が間違っている可能性があります。読んでくださって間違いに気づいた方は教えてくださったら嬉しいです。

☆意訳・省略ありです。

 

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道勧の中で謝憐と三郎はひとつのむしろに腰を下ろしていた。

「みすぼらしい場所でしょう。不便をかけて申し訳ない。」

そういいながら謝憐は上着を1枚脱いだ。

何の返答もないので三郎の方を向くと、彼はじっと謝憐の足元を見つめていた。謝憐の足首には天界からの追放時に刻まれた呪枷がある。謝憐は急いでそれを手で隠す。

謝憐はそれについては何も言わず、三郎も尋ねなかった。

「ここは素晴らしいと思いますよ…。あちこちにいくつか足りないものがあるけれど。」

「信者はさておき…他に足りないものはないと思うけど。」

「神像は?」

謝憐に衝撃が走る。1番大事なものを忘れていた!

内心動揺していたが、すました顔で咳払いする。

「今日墨と筆を買ってきたから、明日何か描いてそれを掛けますよ。」

自分の肖像画を描くなんて…。これが天界に知られたら、私はおそらく向こう10年は嗤われるだろうな。謝憐はそれを想像して少し恥ずかしくなった。

「絵を描くのですか?僕は絵を描けますよ。手伝いましょうか?」

「ありがとう。でも残念だけど、あなたは仙楽太子像の描き方なんて知らないでしょう。」

「知っていますよ。」

謝憐は驚きで動きが止まる。

「牛車で太子殿下の話をしたでしょう。」

「…三郎、本当に彼を知っているんですか?」

「ええ。」

三郎はそう言って笑う。

「では…三郎、あなたは仙楽太子についてどう思いますか?」

そう聞きながら、夜は冷えるから、と脱いだ上着を毛布代わりに手渡す。

三郎はそれを受け取りながら答える。

「神武大帝、君吾は、彼のことを憎んでいるに違いありません。」

冷たい顔で言う三郎に謝憐は不思議そうな顔をする。

「なぜそう思うの?」

「そうでなければ、なぜ君吾は彼を2度も追放したのです。」

子供っぽい考え方だなぁと謝憐は笑みを浮かべる。

「追放は好き嫌いとは関係がないと思いますよ。世の中には“好き”や“嫌い”で簡単に説明ができないことがたくさんある。」

謝憐はもう1枚上着を脱ぎ、次は自分にそれをかけて寝る準備を整えていく。

「それに、悪いことをした者は罰を受けるべきだ。どちらの時も、帝君は規則に従っていただけです。私はそう思っています。」

三郎は何も口を挟まずに静かに謝憐の言葉を聞いていた。

「もう遅い。少し休もう。」

「ええ。」

三郎の返事を聞いてから謝憐はろうそくの火を指でつまんで消した。

 

道勧にはそこかしこの隙間から月明かりがさしており、たまにコオロギの声が聞こえてくる。

三郎はその中で眠らずにしばらく天井を見ていたが、いつからかよく眠る謝憐をじっと見つめていた。

三郎は使うようにと渡された上着を謝憐にかけてやる。謝憐はそれに起きることもなく、中元の夜は更けていく。

 

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呪枷について、与君山で扶揺と南風には隠そうともしなかったのに、三郎相手だと隠してしまうんだなぁ。

2回の追放のことなんて知らない(と思っている)三郎には、罪がある者ってバレたくないのかな。

 

仙楽太子についての考えを聞かれたのに、君吾を主語にして答える三郎…。

謝憐に呪枷付けた君吾くそったれ…。みたいな思いが勝ったのか、

本人を目の前にしてはどうにも言えなかったのか…。

三郎の機嫌悪そうな表情見るに、前者っぽいな。

 

眠る謝憐が可愛らしくて美しい…。その寝顔を見つめる三郎も美しい。

この穏やかな雰囲気とても素敵だなぁ。