天官賜福 bilibili 英語版の和訳 #67
天官賜福 英語版漫画の和訳 #67です。
☆登場人物の台詞を理解することが主な目的なので、台詞以外の、絵で表されている描写は最低限しか書いていません。
☆登場人物や場所の漢字が間違っている可能性があります。読んでくださって間違いに気づいた方は教えてくださったら嬉しいです。
☆意訳・省略ありです。
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謝憐は静かに笑う。
「仙楽は今やガラクタの神にすぎません。それに法力もないのに、どうして必要とされるでしょうか。私はただ、自分が迷惑を起こさないことを願っていますよ。」
「何故そんなに自虐的なのだ。」
君吾は足を止め謝憐を振り返る。
「それとも…今回人間界に降りた時に、誰か特別な人でもできたのか?」
その言葉に謝憐は思わずえっ、と声を上げ、その頬が赤く染まった。
名前は出さないが、君吾が誰を指して言っているのかは明白だ。謝憐は慌てて手を振る。
「帝君、私は誓って何もしていませんよ。旅先でとても面白い子供と出会って、数日一緒に過ごしただけです。そんなのじゃありません。」
「偶然に…。子供…。」
君吾は再び足を進める。
「絶境鬼王。」
そう呟き、謝憐に尋ねる。
「仙楽、今の言葉を他の神官の前で言ったらどうなっていたと思う?誰も信じはしまい。」
謝憐は目を閉じほほ笑む。
「分かっています。しかし真実なのですから、信じてもらえなければどうしようもありません。帝君、先ほどは助けてくださってありがとうございます。」
「もちろん、お前が鬼界と結託しないことは分かっている。だが血雨探花と友好的な関係にあるならば、お前にこの任務は任せづらいな。」
そう言い、君吾はある建物へと足を踏み入れた。
「?どんな任務でしょう?」
尋ねながら、謝憐も彼の後に続いた。
その建物に入ると、吹抜け部分に恐ろしい、赤く燃え上がる竜が浮かび上がっていた。過去の記録のようだ。2人はその竜に真剣な目を向ける。
「7日前、東方の山奥から烈火の竜が天に駆け昇ってきた。それは線香が2本燃え尽きるほどの間出現していた。多くの者がその燃え盛る炎を目撃したが、全員無傷で済んだ。それがどういう意味か分かるか?」
「火竜嘯天之法ですね。炎は強くとも、竜を形どっているだけで害はない。この術は非常時の最終手段です。神官が最後の力を振り絞り、自らの身を犠牲にして助けを求めたのですね。」
「その通りだ。
半月関の件だけで皆を召喚することはないが、この機会を使い、どの神官が行方不明になっているのかを調べた。今まで一度も来ていない者は別として、今日の審理の場を欠席した神官を報告したが、霊文殿からの回答はまだない。」
「では、現役の神官ではなく、引退した神官である可能性もあるのでは?」
「そうであれば、調査範囲を広げねばならんな。引退した神官の多くはもう何年も連絡を絶っている。その人物を推測するのは不可能だ。」
「火竜嘯天之法の使用を余儀なくされるとは、敵は相当に手ごわいのでしょうね。」
謝憐はあごに手を当ててしばし思案し、君吾に尋ねる。
「帝君、その周辺に邪悪な者たちが集まる場所があるか、ご存じですか?」
「ある。とても近くに。“鬼市”について…聞いたことはあるか?」
鬼市とは、人間と鬼の世をつなぐ橋のことを指す。鬼が集まり商いが行われる、鬼界で最も繁栄した場所である。
「東方で火竜が現れた後、神官を数人調査に派遣した。しかし私のこの軽率な行動が敵を警戒させたのか、何の手掛かりも得られなかった。
助けを求めた神官は、鬼市に転送された可能性が非常に高い。よって、そこへ潜入し手掛かりを探す者が必要なのだ。」
謝憐は拱手し、躊躇いなく言う。
「帝君、どうぞご命令ください。」
「最初に思い浮かんだのはお前だった。しかしこうなっては、お前がこの問題に対処するのでは不都合があるかもしれない。」
「何故です?」
理由が分からず、謝憐はパッと顔を上げる。
「第一に、東方は郎千秋に統治されている。行くとなれば、彼と組まねばならん。」
「ご心配なく、帝君。彼と一緒で何の問題もありませんよ。」
「第二に…。鬼市が誰の縄張りであるか知っているか?」
その問いかけの意味を、謝憐はすぐに理解した。
「もしかして…花城ですか?」
君吾は無言で頷く。
「…。」
謝憐は言葉を失い、三郎の姿を思い浮かべる。
“火竜が出現したのは7日前…。三郎が菩薺勧を去ったのと同じ日だ。この偶然の一致に、何かつながりはあるのだろうか?”
「お前たち2人は良い関係性を持っているようだな。」
一人悶々と悩む謝憐を君吾は興味深そうに見やったが、すぐに火竜へと目を戻して続けた。
「それは構わないが、問題は彼が関与しているかどうかだ。気まずければ、無理はしなくていい。」
「いいえ。」
謝憐は顔を上げ、はっきりと宣言する。
「私は、血雨探花は悪意を持つ人物ではないと信じています。命令ではなく個人的に調査をします。」
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