天官賜福 bilibili 英語版の和訳 #28

天官賜福 英語版漫画の和訳 #28です。

 

☆登場人物の台詞を理解することが主な目的なので、台詞以外の、絵で表されている描写は最低限しか書いていません。

☆登場人物や場所の漢字が間違っている可能性があります。読んでくださって間違いに気づいた方は教えてくださったら嬉しいです。

☆意訳・省略ありです。

 

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「三郎、私はどうやら遠くへ行かなければならないようです。」

三郎は少し驚いたようだったが、すぐに笑みを浮かべる。

「そうですか、哥哥。もしよければ、僕も連れて行ってください。」

風が強くなってきたので、謝憐はまず道勧の中に入るよう促した。

「長い旅になるし、苦難や砂嵐が待っているだろう。どうして来たいのですか?」

三郎はその問いをはぐらかす。

「半月関で何が起こっているのか興味があるんですね?」

「君は半月関についても知っているの?」

「半月関は、200年前に半月国があった場所です。そこには半月妖道と呼ばれる国師がいました。この人物は幼少期から各地を彷徨っていた孤児で、成長して妖術を身に着けました。」

謝憐はそれを聞きつつ、同時にまだ修理していない屋根のために雨が降らないようにと願った。そして三郎が作った扉を閉めて閂をかける。

「半月人はこの妖術を恐れ、その道士を国師へと祀り上げた。」

「この国師というのは…」

謝憐の言葉は扉を叩く音に遮られた。三郎ときょとんと顔を見合わせてから、謝憐は少し緊張した面持ちで閉めたばかりの扉を開ける。

するとそこには、見慣れた2人が立っていた。強い風に髪をなびかせた扶揺と、もう1人はその髪に顔を隠されてしまっているがこちらは南風だ。

「なぜ2人が…?」

扶揺が白目をむいて言う。

「あなたは半月関に向かおうと…」

その言葉の途中で、2人は顔色を変える。

「下がれ!」謝憐の手をつかんで自分たちの後ろへやりながら、扶揺と南風は光を手に集め、今にもそれを放とうとした。

その対象は、供物台に線香を捧げようと背を向けている三郎だ。

慌てて謝憐が2人と三郎の間に割って入る。

「止まって止まって!早まったことはしないで!彼は私の友達だ。ここには客人としているのだから、お願いだからもっと丁寧に接してくれないか。」

線香を捧げ終えた三郎がやっと3人の方を向き、軽く拍手をする。

「すごい、すごい。」扶揺と南風の手に集めた光に対する言葉だろうが、その顔と声に敬意はない。

「哥哥、この人たちは誰ですか?」

「大丈夫だよ、怖がる必要はないから。」

そんな2人に南風が怒りの声を上げる。

「彼と話すな!」

謝憐は緊張の面持ちで問う。

「…2人は、彼のことを知っているの?」

扶揺が三郎から目を離さずに答える。

「いいえ、知りません。」

「知らないのならば、どうしてそんなに緊張している?」

南風はそれに答えずに、次々と謝憐に質問を浴びせる。

「どこで彼と出会ったのですか⁈姓と名は⁈どこに住んでいる⁈どこから来た⁈何故一緒にいるのです⁈」

謝憐は律儀にそれに答える。

「私たちは道で出会い、彼の名前は三郎という。行くところがないというので、彼を連れてここに戻ってきたんだ。残りの質問については知らない。衝動的なことはしないでくれ。」

何故そんな些細な問題を気にするんだ。とにかく彼らを落ち着かせようと茶を勧めたが、さらに南風を怒らせてしまった。

「あなたは彼のことを何も知らないのに連れてきたのですか⁈彼が悪意を持っていたらどうするんです!」

謝憐はその言葉にふう、と息を吐き、ほとんど何も置かれていない道勧を示すように手を広げた。

「あなたたちは…ここに、彼が私から奪えるものがあると思うの?」

これには扶揺と南風は反論ができず、黙ってしまった。

その間に三郎が謝憐に問いかける。

「哥哥、彼らはあなたの従者ですか?」

「従者というのは正しくないかな。助手のようなものです。」

「そうなんですか。じゃあ、これで手伝ってもらおうかな。」

そう言うと三郎は何かを手に取り、扶揺に投げつけた。それを掴み、見てみると…1本の箒だった。

「お前…」扶揺の顔が怒りで歪む。

「本当の姿を現せ!」言葉とともに手から光を放つ。

三郎は顔を傾けるだけで簡単によけてしまい、光は壁へ激突した。壁には大きく穴が開き、更に奥の部屋の壁まで穴が開いてしまったようだ。

この衝撃で、天井から瓦のかけらが降ってくる。

ぽとぽと落ちてくるそれに頭を殴られながら、謝憐がいつになく冷たい目で扶揺と南風を一瞥する。

「あなたたち…」

若邪を放ち、彼らを縛り上げる。

南風が「何するんですか!」と抵抗するが、構わず外に引きずり出す。

「三郎、すぐ戻ってくるよ。」

 

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扶揺と南風再登場!

謝憐が心配で、吐血しながら怒る南風優しい…。

2人とも沸点低いけど、扶揺が特に沸点低いね。

 

2人の登場嬉しいけど、この話の見どころは謝憐ですよ。

三郎と半月妖道について話してて、扉を閉めて三郎の方を向いた時の謝憐の顔がとても好き。髪を耳にかけながら、流し目!色っぽい~!って思った!
少し警戒しながら扉を開く顔も。

扶揺と南風に三郎のこと知ってるの?って聞く緊張した顔も。

扶揺のせいで家壊されて、静かに怒る顔も。

全部美しい。

今回は謝憐の顔をとても楽しめた話でした~。眼福。