天官賜福 bilibili 英語版の和訳 #30

天官賜福 英語版漫画の和訳 #30です。

 

☆登場人物の台詞を理解することが主な目的なので、台詞以外の、絵で表されている描写は最低限しか書いていません。

☆登場人物や場所の漢字が間違っている可能性があります。読んでくださって間違いに気づいた方は教えてくださったら嬉しいです。

☆意訳・省略ありです。

 

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陣を抜け、砂にまみれ荒れた土地に着いた途端に南風が怒りの声を上げた。

「なぜ彼も来るんだ?!」

「あなたの陣がとても興味深くて。見学に来たんだ。」

「私たちが遊びに来たとでも思っているのか⁈」

謝憐はため息をつく。

「怒らないで。彼はもう来てしまった。それに、彼はあなたの食べ物をとったりしないし、私が十分に持ってきたから大丈夫だよ。」

扶揺が白目をむく。

「食料の問題だとでも?」

その冷たい声に謝憐は焦り、三郎の腕を引いて進みだす。

「さあ、もういいだろう。仕事に集中して、進もう。三郎、私のそばにいて、迷子にならないようにね。」

「ええ。」

扶揺と南風はどうすることもできず、4人は日が沈んでいく中を歩き出した。

 

「哥哥、見てください。大きな北斗七星です。」

三郎が満天の星空を指さす。

「とても明るい。」

「ええ。いくつかの要因があり、北西の空は中心部の空よりもはるかにはっきりと見えます。」

星空に魅了されている謝憐を見ながら三郎が言う。

「歴史的な文献によると、月が最も暗い時に大きな北斗七星に向かって歩き続けると、半月国に辿り着くそうです。」

彼らはまた歩を進めていく。歩きながら、三郎がふと思い出したように言う。

「ああ、そうだ。僕は哥哥に、半月国にまつわる話を終えていませんでしたね。続けましょう…。」

 

さっき触れた妖道双師のうち1人が半月妖道で、半月の兵士達はその人物を崇拝し、非常に忠実だった。この国師は非常に強力で、策略に富んでいた。

半月国は非常に多くの人員を持っており、彼らは獰猛で好戦的だった。半月国は中原と北西部の間の重要な関所付近という、とても有利な場所に位置していた。

その結果、両国は国境で頻繁に衝突し、絶え間ない摩擦と戦いを繰り返していた。200年前、中原の者共が攻めてきて、ついに半月国を破った。国師の庇護下にも拘わらず。

元々、半月国は緑豊かな土地だった。しかし戦後に半月関が設けられたが、国師と兵士の恨みは決して消えることはなく、今までその場所に出没し続けた。おそらく恨みのせいだろう、オアシスは徐々にゴビ砂漠に飲み込まれた。

 

「夜になると遠くから、背の高い半月の兵士が武器を手に巡回し、狩りをする姿が度々見られるそうです。このあたりの住人はそれに耐えられなくなり、徐々に土地を離れていきました。こうして、“通り過ぎる全ての集団は、その半数以上が消えてしまう”という噂が広がり始めました。中原からやってきた者は、通行料を置いていかなければならないと言います。そして、その“通行料”とは、人間の命のことだそうです。」

「若君よ、あなたは博識のようだ。」

扶揺が称賛の言葉を述べるがその表情はどこか人を馬鹿にしているようだ。

三郎もやり返す。

「全くそんなことはない。あなたたちがものを知らないだけだ。」

謝憐はこれに思わず吹き出してしまう。なかなかの毒舌だ!

いらだつ扶揺と南風に構わず歩きながら、三郎は謝憐に言葉を続ける。

「ただし、これらはすべて歴史を通して伝わった物語です。本当にそのような国師がいたかどうかは誰も知らない。もしかしたら半月国は存在すらしていなかったかもしれません。」

「あなたの言っていることは的を射ている。けれど、半月国は存在しますよ。」

「そうなんですか?」

「えっと、聞いた話だけれどね。」

謝憐は笑ってごまかした。妖幻道士が半月国に現れるずっと前に、そこでガラクタ集めをしたことなど言えなかった。

 

4人は夜が明けても歩き続け、やがて太陽が強く照りだした。謝憐の横を歩く三郎は日光が辛そうだ。それを見て謝憐は自分の笠を三郎にかぶせた。

「ほら、これをかぶっていなさい、三郎。」

三郎は驚いた顔で謝憐を見つめる。

「正午で日がとても強い。笠をかぶっていた方がいい。」

三郎は微笑んで謝憐に笠を返す。

「必要ないですよ。」

扶揺と南風がそんな二人をじっとり見ている。

「怪しい!」

「いい考えを思いついた。」

扶揺がポンと手を打ち、掲げたのは空間嚢だ。

「これで…奴が人間か鬼か分かるだろう。」

そう言って嚢からあるものを取り出す。

「なるほど。確実な方法だ。」

南風も賛同し、二人は腹黒く笑った。

そんな二人に気づかず、謝憐と三郎は楽しそうにおしゃべりをしていた。

 

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謝憐に笠をかぶせられる三郎可愛い…。三郎の驚いたような顔ってあまり出てきてないからとてもうれしいなぁ。

そのあとに手で日光を遮る謝憐美しい。強い日差しで肌の白さが際立っている。

 

今回は一つ反省点というか課題?悔しいものがあります…。

最後に扶揺が出した革製っぽい巾着。

SPATIAL POUCH

と書かれていたので、もう直で空間嚢って訳したんだが…4次元ポケット的なものだと思っていいんですよね?

でもこの世界観でその名前はないわなぁ…。でも空間嚢って名前センスないよなぁ…。

と思いつつ代替案がなかったのでこのまま…。

何か他の、意味が通るいい名前が見つかったり、考え付いたりしたら修正します!