『不小心救了江湖公敌』『Saved the Public Enemy by Mistake』 BILIBILI漫画 英語版の和訳 #12
不小心救了江湖公敌 英語版漫画の和訳 #12です。
☆登場人物の台詞を理解することが主な目的なので、台詞以外の、絵で表されている描写は最低限しか書いていません。
☆登場人物や場所の漢字が間違っている可能性があります。読んでくださって間違いに気づいた方は教えてくださったら嬉しいです。
☆意訳・省略ありです。
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「なんて不気味な場所だ。この宿の周りにはバラバラ死体があるぞ。お前もここにかすかな血の匂いを感じているだろう。気づかなかったのか?」
宿で陸九から手当てを受けながら、江鶴は顔をしかめた。だが陸九はいつも通り平然としている。
「ここは闇宿だ。客から強奪し、一人残らず殺す。」
流石の江鶴もこの言葉には目を丸くした。戦闘になれば医師の陸九は役に立たず、江鶴も重症の身であるというのに、何を考えているのか。
「…。それでもここに泊まるって言うのか。勇敢だな。」
「ここ以外の宿に泊まろうとすれば、金を使い果たしてしまう。金がなければ、どうやって紅叶庄に入る?向きを変えろ。次は背中を診る。」
「お前はこれまでに紅叶庄に行ったことがあるか?」
包帯を換えながら陸九が静かに問うと、江鶴はびくりと肩を跳ねさせた。
「?」
「紅叶庄は道士の楽園だ。金、酒、女…。望むもの全てが手に入る。」
そう言う江鶴の声は、どんどん沈んでいくようだった。構わず陸九はにやりと笑う。
「ずいぶん楽しんだようだな。」
「ちっ違う!俺は…」
江鶴の言葉を最後まで聞かず、陸九はすぐに話題を変えた。
「それはさておき、紅叶庄では珍しい品物を取引している。私たちが求めている昆山血蓮なんかを。それがあれば一時的な灵丹として機能し、とりあえずお前は生き延びることができる。」
「昆山の…。」
江鶴はそう呟き、ひっそりと笑った。
「この古宿にある金で足りるかな?」
陸九と江鶴が泊まる宿の別室ではその主たち、もとい盗賊たちが話し合っていた。
「虚弱な若い医師と、その病気の弟。」
盗賊の一人、頼りなさげな顔をした青年が左右の手で一本ずつ指を立てる。
「着ているのはボロボロの服。こいつら、どれだけ金を持っているかな?」
収穫が少なそうだからやめておこう、とでも言いたそうだ。しかし他の者はその甘さを許さない。
「何者も逃がすな。」
「この2人を逃がしたとして、金持ちにアテでもあるのかよ?」
「たんまり持ってなくても、金は金だ。」
「最悪の場合でも、あいつらは俺たちを2日は持たせてくれる。」
「あいつらの柔らかそうな肉を見ろよ。」
「豆腐みたいだぜ。」
極悪非道な台詞がポンポン出てくるが、そこは青年も盗賊。頼もしい言葉と受け取り、目を輝かせる。
「助言をありがとう兄弟たち!選り好みしてごめんよ!」
他の者もさらに青年を励ます。
「心配することはない!」
「みんな通る道さ!」
「お前ならきっとできる!」
「信じてるぞ!」
「薬草を換えた。もう休め。」
ちょうど江鶴の治療が終わった時、盗賊たちの行動は始まった。部屋にうっすらと煙が流れ込んでくる。
それにいち早く気付いた江鶴が、バッと手で陸九の鼻と口を覆う。
「眠り煙だ。」
そう言って江鶴は部屋の戸をにらみつける。戸の向こうには、刀を携えた盗賊たちがそろっていた。しかし陸九も並々ならぬ度胸を持った男だ。口元に薄く笑みを浮かべる。
「しー…。金がやってきた。」
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