『不小心救了江湖公敌』『Saved the Public Enemy by Mistake』 BILIBILI漫画 英語版の和訳 #23

不小心救了江湖公敌 英語版漫画#23の和訳 です。

 

☆登場人物の台詞を理解することが主な目的なので、台詞以外の、絵で表されている描写は最低限しか書いていません。

☆登場人物や場所の漢字が間違っている可能性があります。読んでくださって間違いに気づいた方は教えてくださったら嬉しいです。

☆意訳・省略ありです。

 

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「あの 日あんなに反抗的でなかったら、私と一緒に死ねたのだ。」

解清玄の目が暗く笑む。

「そうすれば、紅叶庄のような汚い場所で死なずにすんだのに。」

「お前は狂っている!」

耐え切れず陸九は立ち上がった。

「どこへ行く?」

「目を覚ます。」

それを聞き、解清玄はその愚かさを愛おしむように微笑む。

「これは夢ではない。どこで目を覚ましたいのだ?これは幻だよ。」

陸九はその言葉にはっとした。今まで解清玄に気を取られ気づかなかったが、この空間には彼ら2人以外の存在はなかった。出口など探しようもないのだった。

「お前は治療を受けている。治療者が、痛みを消すためにほんの少しだけ引魂香を焚いているな。私がこの香を作った時、これが幻を作り出すなど思いもしなかった。」

「お前は殺すことにしか喜びを覚えなかったからな。」

陸九は解清玄に軽蔑のまなざしを向ける。

「…。」

「私はこの幻から抜け出す方法を見つける。お前の声を聴きたくない。顔も見たくない。」

「陸青云、何故私がお前の幻に出てくるのかとは思わないのか?」

解清玄に背を向けようとした陸九だったが、彼の言葉に足が止まった。

「私はお前を救い、解一族に連れ戻った。医学の祖である岐黄の医術を教えた。お前が身を落ち着けるのを助け、そしてお前を見捨てた。お前は私の罪をかぶり、私を殺した。」

解清玄は続ける。

「養父の解仁宇、気の触れた妹解清霜、お前が拾った孤児の小禾、はたまた契約でお前を縛った柳江鶴…。誰も、何も、私ほどお前の中で重みをもたない。私の死後、どんなに多くの人間と出会っても、どんなに多く生きる理由が見つかったとしても、お前は幻の中で私だけを見るのだ。お前が私を憎んでいるかどうかは…全くどうでもいい。」

解清玄は陸九の顔を見据え笑う。

「陸青云、私がここにいる理由…それは、お前が私に会いたかったからなのだ」

その言葉に、陸九の体がびくりと固まった。

「違う…。」

陸九は震える声を絞り出す。急速に、どこまでも白が続く空間に闇が侵食してきた。

”違う!”

「そんなこと望んでいない!」

そう叫ぶと同時に、陸九は現実世界で目を覚ました。

 

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