天官賜福 bilibili 英語版の和訳 #70

天官賜福 英語版漫画の和訳 #70です。

 

☆登場人物の台詞を理解することが主な目的なので、台詞以外の、絵で表されている描写は最低限しか書いていません。

☆登場人物や場所の漢字が間違っている可能性があります。読んでくださって間違いに気づいた方は教えてくださったら嬉しいです。

☆意訳・省略ありです。

 

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謝憐は鬼市の片隅で足を止めた。

“目を離した隙に、風師がどこかへ行ってしまった。もしかして、本当に顔のお手入れに付き合わされているのだろうか。”

通霊陣で連絡を取ろうとこめかみに指をあてるが、結果は危惧した通りだった。

肩を落としため息をつく。

“ここでは通霊陣は使えないな。市に遮られているようだ。

非常に面倒なことになってきたぞ。こんな大規模な市で、どうやって人を見つけるというんだ。”

そう考えていた謝憐の背後から、何者かがパタパタと駆けて来た。その人物は勢いよく謝憐の肩をグイと掴む。

「!」

「ねぇ、お兄さん!」

驚き振り返る謝憐の顔を見て、その人物もあら!と口元に手をやる。

「あなたとっても可愛いわね。」

大きく胸元をはだけた喜色満面な女の鬼に腕をなぞられ、謝憐はヒッと言わんばかりに顔を青くする。

「お嬢さん…何を言っておられるのですか。」

その言葉に、女はますます口角を吊り上げる

「お嬢さんだって?最近そんな風に私を呼んでくれた人はいたかしら?まったく…。」

けらけらと大口を開けて笑う彼女から静かに離れようとするが、女はそれを許さなかった。すぐさま腕に縋りつく。

「行かないでよお兄さん!あなたが好きよ。今夜は楽しい時を過ごしましょうよ!お金は要らないわよ!私が払ったっていいわ!ヒヒヒヒ…。」

「お嬢さん、あなたは…。」

女は謝憐の言葉を最後まで聞かず、手をパンと払う。

「いつまでお嬢さんなんて呼ぶのよ?誰がそんなの聞きたいって?お金払うって言っているのにうるさいわね。あなた本当に男なの?」

先ほどはお嬢さんと呼ばれ喜んでいるようだったのに、今は本気でその呼び方に苛立っているようだ。

謝憐にどうしたものかと悩む暇を与えず、女はバッとさらに自らの胸元をはだけさせる。

「いい加減にして頂戴!来るの?!来ないの?!」

「…。」

あまりにも露骨な誘い方に、謝憐は言葉が出なかった。

彼の代わりに、先ほどからこの様子を眺めていた者たちが茶々を入れる。

「お前が年増で不細工だから付いて行かねぇんだよ。そんなにくっついちまってかわいそうに。」

「全くだ。へへへ。」

しかしこの言われようでは、女がかわいそうだと思ったのだろうか。

謝憐は女以上に露骨な断りの言葉を絞り出した。

「いえ、実は…。恥ずかしい病気を持っていて、勃起ができないのです。」

その言葉に、一瞬場が固まった…が、すぐに大笑いに包まれた。

笑えずにいるのは謝憐と女だけだ。

「ああもう!だからあんたこんな風なのね!もっと早く言いなさいよ!時間の無駄だったわ!この豚野郎!」

女はそう怒声を上げて背を向けるが、最後の捨て台詞がいけなかった。

「何言ってんだてめぇ、豚の何が悪いんだ!」

そう怒鳴ったのは、道端に店を構える豚頭だ。

女はさらに激昂して怒鳴り返す。

「ええ、何が悪いのかしらね?あんたなんかただの畜生よ!」

「この最低女!そうやって罵り続けるつもりか!」

こうして口汚い罵り合いが始まった。

「おい、女鬼の蘭菖がまた問題を起こしたらしいぞ。」

「肉屋の朱がぶった切るんじゃないか?」

「ほら!見に行こう!」

そう言ってやじ馬が集まる中、謝憐はひっそりとその場を抜け出した。

 

道を進むと、ひときわ高く、絢爛な建物が見えてきた。

賭場だ。

賭場の前に立った謝憐はふと思いいたる。

“まさか、ここで遊んでいないよな…?”

 

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謝憐の、夜のお誘いの断り方がすごい…(笑)

謝憐あんな断り方するんだ。新しい一面…。

まぁ、自分を悪者にして断るところは謝憐らしいのでしょうけど、ちょっと衝撃でした(笑)

 

さて、賭場が出てきましたよ!

そろそろ三郎が登場してくれるのでしょうか??

来週も楽しみです!